でもその話を書く前に、まず今日は、ちょっぴりおさらいから。
以前にも少し書いたことがあると思うけれど、あたしたちとクウスケが出会ったのは、四万十保健所主催の『子犬の譲渡会』でのことだった。
怖ろしく『幸薄感』漂う犬だった。
広い柵の隅っこで、自分が吐いたゲロにまみれてうずくまり、ヒンヒンと情けない声で鳴き続けていた。
うわっあかん!見てもうた!
見た瞬間にそう思った。
犬バカの人たちならみんな同じだと思うけれど、そういういかにも幸薄げな犬を見てしまうと、ふだんは全然活躍しない母性本能だとか使命感だとかが、大活躍しそうになってしまうのだ。
あたし、あの犬もらってまうかも…。
そう思った。怖かった。
あんないかにも病弱で気弱そうな子犬を引き取ったりしたら、毎日きっとオロオロして暮らすことになるに違いない。うちまで幸薄くなってしまうに違いない。あの犬には『呪い』がかけられているんだ。見ちゃいけないっ。見るなーっ!(←ぜんぶ脳内です)。
と、あたしのそんな葛藤をよそに、笑いながらダンナが一言。
「おまえ、あの牛柄の犬、気になってんねんやろ?」
……こんなときだけ鋭いってどうなん?
というわけで夫婦でしばらく、譲渡会の様子を見守ることに。
どんどん飼い主さんが決まっていく元気な子犬たち。残されていく牛柄君(当時の呼び名)。
あかんあかん。早く誰かもらったって?。
祈るあたし。笑うダンナ。
そんなだったので、牛柄君が無事に新しい飼い主さんに引き取られていったときには、心の底からほっとした。
新しい飼い主さんに『呪い』を解いてもらうんやで?。
そう思った。
手も振った。
なのに。
しばらく別の場所で缶コーヒーを飲んで、またその会場の前を通りかかると。
「「牛柄君、戻されてるぅぅぅぅ!」」
ダンナと声がそろってしまった。当時はまだ愛が合ったんだねえ。
というわけで、牛柄君は我が家にやってきた。
結局締切ギリギリまで、引き取り希望者が現れなかったからだ。
引き取るしかなかった。『呪い』を解く呪文なんか知らなかったけれど、あたしは天使(のはず)なので、何とかなるかもしれないと思ったのだ。
そして次の日。
獣医さんでもらった虫下しの薬を飲ませると、牛柄君は「この小さな体のどこにっ?」とびっくりするほど大量の回虫をウンチといっしょにお尻から出した。
それはまさに、『袋もやし』そっくりだった。
「炒めてみる?」
「あほか」
「おいしいかもよ?」
「呪われんぞ、おまえ」
…ハッ!呪いっ!?
「「そうか、これが呪いの正体かっ!」」
またまた夫婦で声がそろった。当時はまだ(以下略)。
それ以降は病気ひとつせず、すくすくと元気に育ってくれた元牛柄君。
いろんなつらい目にあったのに、性格だってまっすぐだ。あたしみたいに何のつらいこともなかったくせに、ちょっぴりグレてみたくって、ヤンキーになった人間とは大違いだ。
人を信じる気持ちだってアホほどある(これはあたしもアホほどあるよ?)。
そんなかわいいこいつを、いったいなぜ捨てたりしたんだろう。『呪い』どころか、『幸せ』のかたまりのようなヤツなのに。
そう思って、捨てた人間を少し蔑んだりもしていたのだけれど。
実は去年、偶然に偶然が重なって、会うことができた『捨てた人間』。思いがけず優しい人で、実は捨てたわけじゃなく、ただ譲渡会に預けただけだったことも判明した。
そして。
その人の言葉を頼りに、土曜日行ってきた山村には…。
長くなってしまったので、その話はまた明日。
晩ゴハンが「もやし」だったみなさん、ごめんなさいね。「もやし」に罪はありませんので、ちゃんと食べてあげてください。ただ、クウスケのお尻から出た『呪い』とそっくりなだけです。どんまい。
では最後に次回予告。
これだ?れ?
かみんぐす?ん!
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